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医療機関を苦しめる「たった一つの悪意ある口コミ」~信頼の崩壊と経営への深刻な影響~

 

■ 導入:ネット上の“ひとこと”が経営を左右する時代

近年、Googleマップや口コミサイト、SNS上のレビューが、患者の来院動機に大きく影響するようになっています。
「○○歯科 口コミ」「○○クリニック 評判」と検索すれば、星の数と数件のコメントがすぐに表示される。
その中に、もし“悪意のある口コミ”が一つでも混じっていたら――
経営者にとっては無視できないほどの影響が出る時代です。

特に医療機関は「信頼」で成り立つ業態です。
一度でも「感じが悪い」「二度と行かない」などのコメントが投稿されると、実際には誤解や根拠のない内容であっても、患者はその情報を“真実”として受け取ってしまう傾向があります。
結果として、長年築いてきた地域の信頼が、たった一つの投稿で揺らぐことがあるのです。


■ 実例:誤解から生まれた悪評が、スタッフの士気を下げた歯科医院

ある地方都市の歯科クリニックでの出来事です。
長年地域に根差した診療を続けてきた院長は、丁寧な説明と技術力に定評がありました。
ところがある日、Googleマップ上に「受付の態度が悪く、治療内容も雑だった」という口コミが投稿されました。
投稿者は匿名。来院履歴も確認できず、内容も事実と異なっていました。

しかし、この口コミは検索結果の上位に表示され、来院前に閲覧する患者が急減。
月間の新患数は20%減少し、スタッフの間にも「自分たちの努力が報われない」「何をしても悪く書かれるのでは」という無力感が広がりました。
特に受付スタッフは「自分のことを書かれたのでは」と精神的に落ち込み、退職を考えるまでになってしまいました。

このように、“たった一つ”の悪意ある投稿が、売上だけでなくスタッフのモチベーションにも影響を及ぼすのです。


■ 社労士として見た背景:口コミがもたらす「心理的職場ストレス」

悪意ある口コミの問題は、単なる評判低下にとどまりません。
職場に「誰が書かれたのか」「何が悪かったのか」という疑心暗鬼を生じさせ、人間関係や職場環境を悪化させる要因にもなります。

実際に、当法人がサポートしたある医院では、口コミが原因で院長とスタッフの間にギクシャクした雰囲気が生まれ、離職者が続出しました。
「ネットに悪口を書かれた」という事実だけで、スタッフが過剰な緊張感を抱き、コミュニケーションがぎこちなくなる――
まさに、口コミが“職場のストレス源”となるケースです。

こうした状況では、医療安全や接遇レベルにも影響が出やすくなります。
心理的に追い詰められたスタッフが焦りや萎縮からミスを起こすこともあり、結果として患者対応の質が下がり、再び悪い評価が増えるという悪循環に陥ることも少なくありません。


■ 法的・経営的観点:名誉毀損・業務妨害の可能性と、放置リスク

悪意ある口コミが事実無根であった場合、名誉毀損罪や業務妨害罪に該当する可能性があります。
実際、Googleの口コミに対して削除請求や発信者情報開示請求が認められた事例もあります。
しかし、多くの医療機関では「ネットに強く出るのは印象が悪い」「患者さんとの関係を悪化させたくない」といった理由で、泣き寝入りを選ぶ傾向があります。

一方で、放置すれば“その口コミが永続的に残る”という現実があります。
検索エンジン上では、時間が経っても削除されない限り、悪いレビューは何年も上位に表示され続けるのです。
口コミサイトはSEO的に強く、医院公式サイトより上位に出るケースも多く見られます。
結果として、地域で新しくクリニックを探す患者に「悪い印象」が最初に届く。
それが数年単位で経営に影響することになります。


■ 対応と再発防止:経営者にできる3つの実践策

口コミモニタリング体制を整える
Googleビジネスプロフィールを活用し、定期的に口コミを確認・返信する仕組みを作りましょう。
悪意のある投稿には冷静かつ丁寧に「事実関係を確認したが、該当のケースは確認できませんでした」と公式にコメントするだけでも印象は大きく変わります。

スタッフ教育と接遇の可視化
万が一、誤解から悪評が生まれた場合でも、再発防止策を具体的に示せるよう、日常的に接遇や対応を記録しておくことが大切です。
動画研修やロールプレイングなど、患者対応を可視化する取り組みは口コミ対策にも有効です。

第三者機関・専門家への相談
弁護士や社労士に相談し、法的対応と職場ケアの両面からサポートを受けることが重要です。
特に社労士は、口コミによるスタッフのメンタルダウンや職場不和など“労務的影響”に対応できます。
「口コミストレス」も立派な職場課題としてマネジメントする時代です。


■ まとめ:口コミの時代にこそ、「内部の信頼」を守る

医療機関にとって、口コミは避けられない時代の現象です。
しかし、本当に守るべきは「ネット上の評価」ではなく、「現場で働く人たちの信頼と誇り」です。
悪意のある口コミに怯えるのではなく、チームで冷静に分析し、必要な対策を取りながら内部の信頼を積み重ねていく――
それが、どんな風評にも負けない強い組織をつくる第一歩だと感じます。


 

医療(医科歯科)クリニック専門 特定社会保険労務士 鈴木教大
https://www.medical-sr.jp/

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